クラウド時代におけるスマートフォン-日本Androidの会が定例勉強会


「モバイルクラウドの実像」と題して講演するデロイト トーマツ コンサルティング株式会社の八子知礼氏

 Android開発者のコミュニティ「日本Androidの会」が18日夜、都内で定例の勉強会を開催した。今回のテーマは「クラウド」。NTTドコモ サービス&ソリューション開発部部長の栄藤稔(えとうみのる)(Twitter:mickbean)、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社の八子知礼(やことものり)(Twitter:tomokyun85)の両氏が講演した。

 栄藤氏は「An Operator's View on Cloud Device Era (クラウドデバイス時代に対するオペレータの展望)」と題して講演。ここ数年で進化を続ける端末がさらに高性能化し「PC化していくのでは」と言われていることについては「電池の進化はCPUの進化に比べ緩やか。性能は12年でたった2倍にしかなっていない。携帯電話の電波帯はPC等と異なりダウンリンクとアップリンクでスピードが違うが、それは電池のためだ」と指摘し「携帯とはこういうものだと知って(アプリを)開発しなければならない」とクギを刺した。

 また栄藤氏はオペレータ(携帯会社)のすべきことして、ネットワークAPIとSDK、そして課金システムを何よりも構築する必要があり、それも「すべての情報はオペレーターネットワーク(携帯会社のネットワーク)とクラウドネットワーク、Discipline(規制)とFreedom(自由)のハイブリッドで展開することが必要だ」としたほか、今後の課題として「マーケット上にあるロングテールをいかに適切なお客様に届けるか」を指摘した。

 続いて、ITPro「モバイルクラウド研究所」に連載、日経コミュニケーションへの寄稿も多数行っている八子氏が「モバイルクラウドの実像」と題して講演した。八子氏はまず「クラウドコンピューティングとは、定義でも技術でもない、ムーブメントだ」と見解を披露。国内クラウド市場が3年間で5倍程度増加していることを紹介した。また、「モバイルクラウド」を重要視する理由として、

1、多様化するデバイスの機種性能の差分を吸収実装できる
2、アプリを共通化してクラウドサイドに実装し、端末価格を下げることで収支ラインに合致するビジネスモデル

であることを挙げたほか、「接続してくるデバイス数の増加に対してシームレスに広がること」を最大の特徴として強調した。

 八子氏はキーワードとして「Convergence(融合)」と「Disruption(破壊)」を挙げ、「既存のどの領域をこわし、どう融合させるか。融合させて新しいユーザー体験を作り出せる所にビジネスチャンスがある」とし、好例として、iPhoneが世界的にヒットしたことも、新しいユーザーインターフェース、世界観を提供したためであることを紹介。「家族と世間」「広告とコンテンツ」「3大メディア」「多様なデバイス」「リアルとバーチャル」など、融合による可能性はまだまだあるとした。また、特に融合の起こりやすい領域として、画面サイズの拡大が続くスマートフォンとネットブックなど小型化が進むノートPCの中間領域、「画面サイズが3インチから8インチほどのデバイスだ」と強調した。

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